日本全国の天満宮の総本社である北野天満宮は、学問の神様として有名な菅原道真をご祭神とする神社。合格祈願や学業成就のご利益を授かろうと多くの受験生が押し寄せます。境内には神の使いとされる牛の像が多く見られ、この撫で牛の頭をなでると頭が良くなるといわれています。
春には道真ゆかりの約1,500本もの梅が咲き、夏には御手洗祭、秋には御土居の紅葉と四季を楽しむことができるおすすめスポット。季節ごとのライトアップも境内を美しく照らします。また毎月25日は「天神さんの日」として、多くの露店が並び朝から晩まで賑わいを見せます。
目次
北野天満宮のご利益
- 学業成就・合格祈願
- 菅原道真は早くも5歳で和歌を詠み、11歳で漢詩を作り、14・5歳で天才と賞賛され幼少の頃より学業に励み、情緒豊かな和歌を詠み、格調高い漢詩を作るなど優れた才能の持ち主でした。学問に秀でた非常に優秀な人物で、その優秀さから若くして大出世し政治家としても手腕を振るいます。
そんな菅原道真は『学問の神様』として信仰され、学力向上や各種試験の合格成就のご利益はあまりにも有名。スポーツや習い事、芸道向上にもご利益があります。
道真は一般的に『学問の神様』として信仰されていますが、その他にも多くのご神徳があり、主なものは以下の7つ。
- 1.農耕の神
- 2.正直・至誠の神
- 3.冤罪を晴らす神
- 4.学問・和歌・連歌の神
- 5.渡唐天神(ととうてんじん)
- 6.芸能の神
- 7.厄除の神
北野天満宮の授与品
北野天満宮のお守り
北野天満宮では入試合格祈願を中心に、数多くのお守りが用意されています。
学業御守
一番シンプルな入試・試験合格のお守り。小さくてかわいいので、いろんなところにつけることができるお守り。
祈願絵馬
サインペンで願い事を書いた絵馬は絵馬掛所に奉納します。絵馬掛所では一願成就の牛さんを撫でてお願い事をします。
学業御守(桐箱入り)
なんと桐箱に入った入試・試験合格・学力向上を願うお守り。その豪華さと値段から願いが叶いそうな雰囲気を漂わせています。
学業鉛筆
芯の濃さがHBの学業鉛筆です。半分(例えば6本入りなら3本)には鉛筆の側面に菅原道真の詠が刻まれており、残り半分は無地。毎日の勉強に使うもよし、ここ一番の試験に使うもよし。これで一か八かのマークシートも正解!?
北野天満宮の御朱印
北野天満宮の御朱印は、シンボルである梅の押印が押された定番のものに加え、書置きでいただける御朱印が三種類。
ただし、もみじの頃には御土居の紅葉、七夕の頃は菅原道真の七夕の御歌を書いた御朱印など季節ごとに期間限定の御朱印も用意されています。
【場所】授与所
【受付時間】9:00~17:00
北野天満宮の見どころ
なでると頭が良くなる撫で牛
菅原道真と牛には多くの物語があり天神様のお使い(神使)として、北野天満宮の境内には十数体の牛の像が奉納されています。
この撫で牛の頭をなでると頭が良くなるとされ、自分の体の良くなってほしい部分と、なで牛の同じ部分を交互になでると悪い部分が良くなるともいわれます。
境内の牛の像は、すべて腹ばいで臥せた状態の臥牛像。これは道真が大宰府で亡くなった際、道真の遺骸を乗せた牛車を引く牛が臥せて動かなくなった逸話に由来します。
北野天満宮の七不思議
北野天満宮には古くから伝わる7つの不思議があります。それぞれ注目してまわれば印象深い参拝になるでしょう。
天神さまが降り立つ「影向松」
北野天満宮の一の鳥居をくぐってすぐ右手にあるのが「影向松(ようこうのまつ)」。この松の木は、北野天満宮の創建当初よりあるご神木です。
初雪の日に天神さまがこの松の木に天より降りてこられ、美しい雪景色を眺めながら歌を詠まれるという伝説があります。現在でも初雪の日には、「初雪祭」の神事が行われます。
筋違いの本殿
参道をまっすぐ進んだ正面に菅原道真を祀った本殿があると思いきや、正面の道は地主神社につながっています。楼門をくぐって左斜め前の道が本殿につながっています。
この筋違いの本殿が生まれた理由は、もともと地主神社があった場所に、後から菅原道真を祀る社殿を建てたため、本殿は地主神社の正面を避けて(やや西寄り)建てられたのです。
センターなのに控えめなサイズの地主神社様、好感が持てます。こちらにもお参りしましょう。
星欠けの三光門
本殿前の中門は「三光門(さんこうもん)」と呼ばれ重要文化財に指定されており、壮麗な造りが印象的です。
三光とは「日」「月」「星」の意味ですが、「日」と「月」の彫刻はあるが「星」がなく星欠けの三光門とされています。
「星」は門には彫刻されておらず、門の真上に輝く実際の星(北極星)を指しているのだとか。
ちなみに「三日月」がどこかにあるのでチェックしてみてください。
金運試しの「大黒天の燈籠」
三光門の手前、東南に立つ石灯籠の台座には大黒様が!この大黒様は金運アップの運だめしスポット。大黒様のお口に小石を乗せてみてください。
成功した小石を財布に入れて毎日持ち歩くと、お金に困らないという逸話が。この石灯篭は江戸時代に質屋組合によって奉納されたことから、お金の運試しで始まったとか。
成功の秘訣は丸い小石じゃなく、角のある四角い小石を見つけること。「落ちない」ことから受験生にもご利益がある!?
境内唯一の「立牛」
北野天満宮の境内に数多く鎮座する撫で牛の中で、唯一立ち姿の牛が一体だけあるんですが、これが中々見つからない。
正解は、牛の像ではなく牛の彫刻で、拝殿の欄間に彫られています。拝んだ後は拝殿の上を見上げてみてください。
本殿の背面にある「御后三柱」
本殿の背面(裏)には「御后三柱(ごこうのみはしら)」という御神座(神霊の居る所)があります。昔はこの「御后三柱」も含めて礼拝していたそうです。
「御后三柱」とは、道真の先祖である天穂日命(あめのほひのみこと)、祖父の菅原清公卿、父の菅原是善卿の三柱の祭神です。
天狗山の「一願成就のお牛さま」
北野天満宮の北西方向には、「天狗山」と呼ばれる小山があり、神聖な場所とされてます。その手前境内北西角、赤の連なっている鳥居の先には、には絵馬掛所と牛舎があり、なんでも一つだけ願いを叶えてくれる「一願成就のお牛さま」が祀られています。
一願成就のお牛さまは、境内に数十あるなで牛の中でも一番古いお牛さまで、多くの参拝者に撫でられお顔は分からなくなるほどつるつるです。
願い事をしながらお牛さまを撫でて、絵馬に願いをこめればきっと叶う!
一願成就のお牛さまのそばには「亀石」と呼ばれる亀ににた神石が祀られています。
牛の像が「陽」、この石が「陰」を表し一対での陰陽石として信仰されています。
北野天満宮のイベント・行事
毎月25日の「天神市」
菅原道真の命日にちなんで、毎月25日に開かれるのが『天神市』。境内いっぱいに、食器や洋服、手作りアクセサリーからだんごやからあげまで、様々な露店が立ち並びます。朝は6時頃からはじまり、日没になるとライトアップされ21時頃まで楽しめます。
道真ゆかりの「梅苑」
北野天満宮には菅原道真ゆかりの約1,500本もの梅の木があり、早咲きの梅は正月明けより咲き始め2月初旬に梅苑が公開されます。お茶とお菓子を提供する茶屋も開かれ、例年3月下旬頃まで開苑されます。2月25日には「梅花祭」と「梅花祭野点大茶湯」が開かれ、週末にライトアップも開催されます。
公開時間:10:00~16:00まで
入場料:大人/700円(中学生以上)、こども/350円[いずれも茶菓子付]
なお、境内の梅で作られた『大福梅』は、お正月の縁起物として人気があります。大福梅については以下記事にて。
もみじ苑(秋の紅葉、初夏の青もみじ)
北野天満宮の西側には御土居の一部が残り自然林が広がっています。秋の紅葉シーズンには約350本のもみじが色づき「もみじ苑」として公開されます。茶席や奉納舞、ライトアップなどが楽しめます。
入苑時間:09:00~16:00※ライトアップは日没~20:00
入苑料:大人/1,000円(中学生以上)、こども/500円[いずれも茶菓子付]
また5月の初夏の青もみじの清々しい美しさもまた格別。かつて紙漉き場であった紙屋川の水面は鮮やかな新緑を映し、生命力にあふれています。涼やかな青もみじの杜で、菅原道真のご神徳を感じてください。
入苑時間:09:00~16:00
入苑料:大人/500円(中学生以上)、こども/250円
北野天満宮の由緒
ご祭神として祀られている菅原道真は、学問に秀でた非常に優秀な人物で、幼いころより神童として人々に可愛がられ、その優秀さから若くして大出世を果たしました。しかし、道真の出生をよく思わなかった、有力貴族の藤原氏らの陰謀により無実の罪で遠く九州の大宰府へ左遷されました。
そして2年の月日がたち、無実を訴え続けた道真は、太宰府の地で脚気と皮膚病を患い、ついに京の都に戻ることができないままこの世を去ることに。道真が亡くなると奇妙なことに、都では落雷などの天災、道真を陥れた藤原一族の怪死などが相次ぎ、道真の崇りだと恐れた天皇は、道真を祀り、怒りを鎮める為、北野の地に天満宮を建てさせたとされています。
その後、道真の無実は証明され、生前の功績を称えられ、天神様として崇められるようになりました。人々は道直が武芸・学問に秀でた文武両道、清廉潔白な人物であったことから、学問の神様として親しまれるようになりました。
北野天満宮のご祭神
- 主祭神
- 菅原道真
- 相殿神
- 中将殿(道真の長子)
- 吉祥女(道真の正室)
北野天満宮の基本情報
- 名称(よみがな)
- 北野天満宮(きたのてんまんぐう)
- 住所
- 〒602-8386 京都市上京区馬喰町 北野天満宮社務所
- 駐車場
- 参拝者専用約300台あり
開門時間/09:00~17:00
※毎月25日は縁日のため駐車不可 - 参拝・拝観時間
- 【楼門の開閉時間】
4月~9月/05:00~18:00、10月~3月/05:30~17:30
※お正月やもみじ苑ライトアップ期間は夜間も開門 - 【社務所・授与所】
受付時間/09:00~17:00
※もみじ苑ライトアップ期間中は09:00~20:00 - 【ご祈祷】
受付時間/09:00~16:30 - 参拝・拝観料
- 無料
- 公式ホームページ
- https://www.kitanotenmangu.or.jp/
北野天満宮のアクセス
- 車の場合
- 名神高速道路南インター又は東インターより約30分
- 公共交通機関の場合
※いずれも北野天満宮前下車すぐ - JR京都駅より市バス50・101系統
- JR・地下鉄二条駅より市バス55系統
- JR円町駅より203系統
- 地下鉄今出川駅より市バス51・102・203系統
- 京阪出町柳駅より市バス102・203系統
- 京阪三条駅より市バス10系統
- 阪急大宮駅より市バス55系統
- 阪急西院駅より市バス203系統
- 京福電車白梅町駅より徒歩5分
北野天満宮の地図
北野天満宮の口コミ
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