新型コロナウイルスの第3波が日本全国を襲う中、コロナ過で迎える初めてのお正月。京都では、GoToトラベルの停止により観光客が激減する中、神社やお寺はコロナ対策を万全にして新年を迎えました。
コロナ過での京都の初詣はどのように様変わりし、参拝客の密や混雑は解消されるのか?大晦日から元日にかけて、京都の主要神社を廻って来たのでレポートします。
目次
神社やお寺のコロナ対策の現状
神社やお寺のコロナ対策として、まずは挙げられるのが「分散参拝」です。お正月三が日を外した初詣を呼び掛けたり、昨年12月には年内に初詣をすませる「幸先詣(さいさきもうで)」が推奨され、「オンライン参拝」なども話題となりました。
神社本庁より、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策の指針が発表されており、各社寺では手水舎のひしゃくや本殿前の鈴緒の撤去などがすでに実施されています。
「神社における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」について
また、本来参拝して授与されるお守りなどを、通販に対応しはじめた社寺も増えています。
初詣期間のコロナ対策
初詣期間の特別なコロナ対策は、マスク着用や消毒液の設置はもちろんのこと、年末年始の屋台の出店の取り止め、新年の神事の中止、御朱印の書置き対応などが、各社寺より年末に発表されました。
この様に、様々なコロナ対策がされた初詣はどのように様変わりしたのか?ここから大晦日から元日にかけての、京都の主要神社の初詣レポートです。
マスク姿の大国さまと白うさぎが迎える「八坂神社」
大晦日の夜22時、まず初めに向かったのが厄除け退散のご利益がある「八坂神社」。
今年はコロナの影響で各交通機関が大晦日の終夜運行を取りやめたこともあり、混雑を予想して離れた場所に車を停めたのですが、予想に反し八坂神社周辺の駐車場はどこも空いており、車もほとんど走っていません。
八坂神社に近づくにつれ増えてくるのは参拝者ではなく警察官といった具合。
本殿に続く参道の屋台が閉まっていたこともあり(屋台は大晦日のみ中止で元日の朝より開いていた)、大晦日独特の喧噪は一切ありません。GoToトラベルの一時中止で観光客が少ないせいか、分散参拝が呼びかけられた影響か、例年と比べると明らかに人出は少ない印象。
マスクをした少人数のグループが、速やかに参拝をすませて帰る姿が印象的です。
大国主社前の「大国さまと白うさぎ」も今年はマスクを着けていました。(今年は人が少ないねと話しているよう)
到着時間が少し早かったこともあり、境内は一方通行の規制がかかりはじめたところ。参拝するのに並ぶ必要もなくスムーズにお参りができました。
八坂神社のお正月の風物詩「をけら詣り」も長蛇の列とは無縁で、「をけら火」をもらう人はごくわずか。
混雑しなくてよいのですが、新年を前にワクワクした雰囲気はなく、寂しさを感じながら八坂神社を後にします。
除夜の鐘はライブ配信のみの「知恩院」
八坂神社の参拝を終え、歩いて平安神宮に向かう途中の知恩院前。写真の通り真っ暗で、鐘の音だけが漏れ聞こえてきます。
除夜の鐘で有名な「知恩院」ですが、今年はコロナの影響で参拝不可。除夜の鐘をつく様子は、YouTubeでライブ配信されました。
一年の煩悩を払いながら次に向かうのは平安神宮です。
広い境内が余計に寂しく感じる「平安神宮」
平安神宮を訪れたのは、23時過ぎのこと。暗闇の中に浮かび上がる大鳥居、参道の両側には屋台が出ていました。人はまばらで、参拝客より屋台の数の方が多い!?年配の方は比較的少なく、楽しそうに過ごす若者たちの姿が目につきます。
新年をもうすぐ迎える平安神宮の境内はというと、八坂神社よりも閑散としています。社務所の方に伺うと、人出は例年の2割くらいではないかとのこと。
大極殿の前庭にはコロナ対策としてロープが張られ、敷きつめられていた白砂が両脇へかき分けられ参拝客の距離を保つために足元に印の手テープが打ち込まれていました。大極殿への階段には消毒液も設置されています。
23時30分頃には、新年早々に参拝するために外拝殿前に並ぶ人たちがチラホラ。例年は溢れかえっているのですが・・・。
境内が広い平安神宮だけに、余計に寂しさを感じた初詣でしたが、来年は例年のように新年を祝う参拝者であふれることを願います。
そろそろ新年。次は下鴨神社へ車を走らせます。
QRコードみくじが登場した「下鴨神社」
さすがに、年が明けたばかりの下鴨神社の駐車場は混んでいるだろうと思いながら到着。なんと駐車場は空いており、警備員の誘導を受けながらスムーズに駐車する事ができました。(下鴨神社境内の駐車場は停めれる台数が少ない)
下鴨神社へは年が明けて0時15分頃に到着、年明けすぐということもあり他の神社に比べ少し人が多い印象です。
下鴨神社の本殿前には、7つの干支のお社があり自分の干支のお社にお詣りします。本殿前のスペースはあまり広くなく混雑を覚悟していたのですが、ここも新年が明けたばかりだというのにスムーズにお参りすることができました。
下鴨神社で目を引いたのが、スマホをかざしておみくじが引ける「QRコードみくじ」。
コロナ過で登場したこの「QRコードみくじ」は、スマートフォンでQRコードを読み取ると、画面上でおみくじが引けて番号が表示されるという仕組み。
おみくじは一般的な筒を振るものもあり、通常のおみくじを引いている人が多かったように見えました。やはりQRコードだと、味気なさを感じてしまうのかもしれません。
境内奥の御手洗川では、多くの人が新年を占う「水みくじ」を浮かべていました。
このコロナにおびやかされる日常を、御手洗川が流し去ってくれないかなと思いながら、次の上賀茂神社へ向かいます。
授与所が寂しく映る「上賀茂神社」
上賀茂神社を訪れたのは1時すぎ、下賀茂神社よりは人が少ない印象です。お正月ということで、中門の手前には大きな厄除けの守護矢が設置されていました。
上賀茂神社は境内が広いこともあり密集することなく参拝でき、普段は参拝できない本殿への参拝もでき特別感があります。
ここ上賀茂神社もそうでしたが、総じて感じたことは「お守り」などの授与品を買う人が少ないこと。初詣ということもあってみなさんおみくじは引かれていますが、コロナの不景気のせいか授与所は空いていました。
神社でもコロナの影響を感じながら、北野天満宮へ。
境内のなで牛が抗菌加工された「北野天満宮」
2021年は丑年ということで、最後に訪れたのは牛にゆかりのある「北野天満宮」。北野天満宮に到着したのは元日1時40分頃、駐車もスムーズでここでも境内は混雑していませんでした。
普段は参道に屋台が並ぶのですが、今年は新型コロナウィルスの感染拡大防止のため1月5日まで中止に。
楼門には大きな丑の絵馬が掲げられています。絵馬の牛は上を向いており、コロナ禍でも上を向いて進んで行こうという願いが込められています。
北野天満宮の手水舎は、コロナの拡大を受けてからひしゃくが撤去され花手水となっています。元日の今日はお正月バージョンの花手水!
そして新年最初に驚かされたのが、境内の「なで牛」に抗ウィルス・抗菌加工がされていること!そして、なで牛の側には消毒用のアルコール除菌も置かれ、万全のコロナ対策がされていました。
撫でてご利益を授かるなで牛ですから、安心して撫でることができるようにと神社の配慮です。他の牛の像にも、抗ウィルス・抗菌加工の掲示がされていたので、境内すべてのお牛さまが全身を消毒されたのでしょう。
授与所では、梅の枝に瓢箪がついた「思いのまま」が授与されています。この「思いのまま」は、病気平癒と疫病退散のご利益がある新年の縁起物です。
コロナの病気平癒と疫病退散を、本殿で菅原道真公にお詣りし手を合わせました。普通の日常が「思いのまま」に送れることを願って。
コロナ禍の京都初詣まとめ
感想としては、例年初詣に何十万人もの参拝客が訪れる人気の神社であっても、大晦日から元日の人出は想像以上に少なく、混雑はほとんど見られませんでした。
多くの社寺で、新年の行事に参拝客が参加できなかったり、中止になったり(神事のみ斎行など)と、例年にないとても寂しい新年となりました。来年こそは、普通に初詣を楽しめるようになっていることを願っています。
最後に、初詣とはその年の最初に社寺に参拝することをいいます。まだ初詣に行っていない方は、2021年が明るい年になるよう神社仏閣へお参りしましょう!
以下記事にて、京都の初詣スポットを紹介しています。ご参考に。
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